烏帽子香合と烏帽子岩

端午の節句にちなみ、烏帽子(えぼし)香合を出しました。

お稽古はお休みですが、初風炉の趣きをオンラインで😅

ちなみに烏帽子(えぼし)とは、古い時代から、男性のかぶり物、つまり、烏(カラス)色の帽子という意味だそうです。中国から伝来されたものです。

また、話は全く変わりますが、えぼしの形に似ている事で有名な、えぼし岩という岩が、茅ヶ崎にあります。

サザンオールスターズ【チャコの海岸物語】にも、

エボシ岩が遠くに見える
涙あふれてかすんでる
心から好きだよ
ピーナッツ抱きしめたい
浜辺の天使を見つけたのさ
浜辺の天使を見つけたのさ

とあるように、茅ヶ崎のえぼし岩は有名ですが、

一路庵のすぐ近くにも、私がひそかに【えぼし岩】と呼んでいる岩があります。

一路庵、すぐ近くにあり、子供用のベッドくらいの大きな岩です。

また、お稽古再開の時に、是非探索を🤣😁

 

 

 

 

母子草 ハハコグサ

名前は、【ハハコグサ】と情緒があるのに、すぐに駆除されてしまうちょっと嫌われ者の雑草。

でも、お茶花としては、使うことができます。

花が咲く前は、春の七草でお馴染みの【ゴギョウ】ですので、食用に。

また、それとは別に【チチコグサ】という雑草もあるそうですが、ハハコグサとの関係は、はっきりしないとか。

 

森の貴婦人 大山蓮華

令和に年号が変わり今日でちょうど1年。

五月晴の下、森の貴婦人と呼ばれる大山蓮華が一路庵の庭で見事に咲きました。

 

その艶やかな香りがblogで伝えられないことが本当に残念です。

吾(われ) 唯(ただ) 足るを知る

一路庵、はなれ(旧一路庵)にあるつくばいは、いつもお稽古茶事で使っていましたが、一路庵には実はもう一つつくばいがあります。

これは、龍安寺のつくばいを模したもので、このつくばいには、深い意味が隠されています。

龍安寺ホームページの説明を引用させていただきます。

【中央の水穴を「口」の字に見立て、周りの四文字と共用し「吾唯足知」(ワレタダタルコトヲシル)と読む。
これは、釈迦が説いた、「知足のものは、貧しといえども富めり、不知足のものは、富めりといえども貧し」という 「知足」(ちそく)の心を図案化した仏教の真髄であり、また茶道の精神にも通じる。
また、徳川光圀の寄進とされる。】

吾、唯、足るを知る

足るを知ることこそ、たとえ貧しくともこころが豊かであり、

足るを知らないことは、どれだけ豊かでも心は貧しい。

そう説明されています。

今、このつくばいは使うことがないので、模して作られた【つくばい文香合】を用意しておりました。

ただ、今回はお稽古がお休みとなってしまい、残念ながら炉の季節が終わってしまいましたが、次の炉の季節のお楽しみにしましょうということで、写真だけお披露目を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様の、ご健康と1日も早い収束を祈りつつ。

 

 

 

 

 

 

和歌にちなんで

お稽古をお休みしていますと、お花の話題ばかりになってしまいます。

今日は、風がきついので花が折れていないかみて回りましたら、天災ならぬ犬災😭😱

柵を乗り越えて、花の上でまさかの昼寝を💦💦

さておき、気を取り直し、今日は、和歌にも読まれた花を三種。

【カキツバタ】

杜若(カキツバタ)が、美しい紫の花を咲かせはじめました。初夏を感じるこの花にちなんだ和歌は、一路庵の人は、毎年話をしているので、もう耳にタコができているでしょう。

から衣  きつつなれにし 妻しあれば

はるばる来ぬる  旅をしぞ思ふ

『伊勢物語』に登場する在原業平の歌で、東下りの折に、今の愛知県のあたりで休息したところ、目の前に見事に咲いているカキツバタの花が、妻の普段着ている衣とよく似ていることで、都を思い出し、やむなく遠くまで来てしまったことを寂しく、そしてもう帰れないかもしれないという失意の中、はらはらと涙目して詠んだ歌と言われています。

「か・き・つ・ば・た」の5文字をそれぞれの句頭にいれて歌を詠んだことで、とても有名な歌です。

【オダマキ】

先日、難解漢字の花でアップしました、オダマキです。

先日のは、八重の西洋オダマキですので、どちらかというと、こちらの方が、お茶花としては床の間に良く映えます。

しづやしづ しづのおだまき繰り返し 

昔を今に なすよしもがな(吾妻鏡)

義経の恋人だった静御前が、頼朝に囚われたとき、堂々と義経の事を思った歌をうたいながら舞った事で有名な歌です。

オダマキは、糸繰りの事。

今は、頼朝も栄華を極めていますが、糸繰りのように、世の中またどうなるかわかりませんよ。という怖い意味もこめられたという説も。

【山吹】

七重八重 花は咲けども 山吹の 

みのひとつだに なきぞかなしき  

ある日、道灌はにわか雨にあってしまい、みすぼらしい家にかけこみました。

道灌が「急な雨にあってしまった。蓑(今のレインコートのようなもの)を貸してもらえぬか。」と声をかけると、幼い少女が出てきて、そしてその少女がさしだしたのは蓑ではなく、何故か山吹の花一輪でした。

さっぱり意味がわからない道灌は「花が欲しいのではない。」とかんかんに怒り、雨の中を濡れて帰って行きました。

その夜、道灌がこのことを語ると、家来の1人が、後拾遺集に中務卿兼明親王が詠まれた歌

【七重八重花は咲けども山吹の(実)みのひとつだになきぞかなしき】

という歌があります。その娘は蓑ひとつなき貧しさを山吹に例えたのではないでしょうか。と、進言しました。

この事があってから、道灌は、自分の勉強不足を恥じ、歌の道も精進して学んだという事です。

難解漢字の花 答え

昨日のblogはクイズ形式にさせていただいておりましたが、いかがでしたか?

では、早速答え合わせです😁

①イカリソウ

花が、船のイカリに似ているので、その名前が付けられました。葉は中国では薬用で使われるそうです。

②シャガ

シャガの名は、檜扇(ひおうぎ)の漢名の”射干”を 音読みしてつけられたそうです。

とても丈夫なので、いろいろな場所で力強く咲いています。

③オダマキ

オダマキの名前は、中心を空洞にして巻いた麻の糸玉「苧環」に花の形が似ているところから付けられました。

この花は、改良された西洋オダマキなので、少し本来のオダマキのイメージとは違います。

また、オダマキらしいオダマキがまもなく咲きますので、咲いたらアップします。

お花は、漢字をみると、えっ、こんなに難しい!!

というものが以外と多いですが、その漢字の中に、由来や、背景が含まれているものも多く、改めていろいろと教えてくれます。

でも、それにしても読めない😅😅

射干??

東京の郊外にある一本の桜を愛でるために、大変な渋滞ができ、三密を懸念した村長さんが、お越しにならないよう要請されたとニュースで流していました。

移りゆく春を惜しみ、都心ではなく郊外に車でいくなら大丈夫だろうという気持ちが、皮肉な事に思わぬところで三密を生んでしまったようです。

一路庵の庭も、初夏の趣きになってきました。

何が起ころうとも季節を告げてくれる花に、心励まされます。

この三種の花。

漢字が難しいものを選びました。

◯碇草、錨草

◯射干、著莪

◯苧環

読み方と、どの花かお分かりでしょうか??

では、ちょっと意地悪に答えは次のblogにて!

炉の花から風炉の花へ

炉の季節の代表花【椿】は、今年も皆の心を癒してくれましたが、11月の炉開きまでお休みに!

半年後、またご機嫌良く咲いてもらうために、剪定や消毒など手入れしている中、その側で風炉の花が出番待ちを!

上側【大山蓮華】

艶やかで、森の貴婦人という呼び名に負けない美しい花。いつも初風炉の時、活けています。

下側【杜若】カキツバタ

初夏を感じさせる紫の花。

どちらも、つぼみが膨らんできて、来る出番が待ちきれないようです。

そして、7月の葉蓋に使う【梶の木】も、すこやかに大きくなってきています。

どうか、皆さんと共に、また風炉の季節を迎える事が出来ますように!

stay home😊

八重桜【普賢象】

ソメイヨシノが散り、葉桜となった頃、八重桜が満開となり、もう一度、春を楽しませてくれます。

すぐ近所にある人気のイタリアンレストランのシンボルツリーが、八重桜【普賢象】(ふげんぞう)

鎌倉に室町時代からある品種で、普賢菩薩を祀る堂の横に咲いていたことから「普賢堂」と呼ばれるようになり、のちに「普賢象」と呼ばれるようになったそうです。

今年は、コロナウィルスの影響で、夜は早く閉めていらっしゃるようで、心なしかさびしさを感じます。

馬酔木

馬酔木と書いて、何と読むかちょっと難しいですね。

お花が好きな方ならよくご存知かと思います。

アセビ、またはアシビと読み、葉を馬が食べると酔ったようにふらつくということから名付けられたそうです。人間にとっても、有毒なものになるそうです💦💦

今、花が満開です。

馬酔木は、春にとても愛らしく花をつけるので、万葉集でもよく読まれたようです。

恋人のことを思い詠んだ歌

我が背子(せこ)に、我が恋ふらくは、奥山の、馬酔木の花の、今盛りなり

また、今は亡き偉大な写真家【入江泰吉】。

古都奈良を愛して撮り続けられた方として有名ですが、万葉の花の写真集を出しておられ、そこにも馬酔木が載せられています。

とても古いものなので、今は売られていないかもしれませんが、素敵な本です。表紙をご紹介します。