蘇民将来 追加

先日のblogに、蘇民将来についてアップさせていただきましたが、伊勢の蘇民の森のお札の裏には、星形と格子のような印が。

【セーマンドーマン】といい、魔除けの呪符。

ちなみに星形のセーマンは、安倍晴明の呪符で、伊勢では海女さんが身に着けるそう。この星形は、一筆書きで元に戻るので、海に潜っても安全に戻れます様にと願いを込めて身に付けるそうです。

自然や疫病に対する畏怖は、古今変わりません。

どうか平穏な日に1日も早く戻れます様に。

下の右側がこのお札の裏側です。

セーマンドーマンが記されています。

8月、1回目【夏は涼しく】

8月第一週は、【夏は涼しく】

お軸は、蟹画賛。

蟹は横行君子と言われるそうで、権力に屈せず我が信念の道を行くものとして尊ばれたそうです。

ガラスの水指が涼しげに、長板のしつらえにて。

紗の風炉先も涼しさを引き立てます。

花入れは、蝉かごにて。

今にも蝉の鳴き声が聞こえてきそうです。

お茶碗は、蜻蛉のガラス、蓋置は金魚鉢、お点前も涼しげです。

 

曳舟

アップするのが遅れましたが、7月第3回お稽古のお題は、【曳舟】

下の絵にある通り、舟を川岸から縄をかけて牽引することを【曳舟ひきふね】といいますが、前大徳寺黄梅院・大網和尚が下記の歌を詠まれています。

⭐️曳く人も 曳かれる人も 水の泡

浮世なりけり 淀の川舟

どういう意味に取るか、受け止め方、また諸説あるかとは思います。

私は【閑吟集】という室町時代の世捨て人?が尺八をお供に詠った歌謡集の中の歌が頭に浮かびました。

⭐️♪ただ何事もかごとも 夢幻(ゆめまぼろし)や水の泡 笹の葉に置く露の間に あぢきなの世や

閑吟集より

 

五感で楽しむ〜和菓子〜

【夏は涼しく】

と利休七則にありますが、和菓子の美しさ、美味しさはお茶をいただく前の至福のひととき。

お干菓子は、津々浦々??の銘菓で。

主菓子は、左上から【水牡丹】、右上が【朝の露】、左下【清流】、右下【夏木立】

耳に響くご銘からも、夏の涼を感じます。

ニワトコの杖

待合にニワトコをいけたところ、「ニワトコって、ハリーポッターの魔法の杖の中の【ニワトコの杖】の木ですか?」と質問が💦💦

右側写真1番背が高い花がニワトコで、お茶花としても使われます。

大変丈夫なので、夏の暑さにも負けず、どんどん大きくなります。左側が庭にあるニワトコ。

さて、話戻しましてハリーポッターについて調べたところ、ニワトコの杖は「宿命の杖」とよばれ、確かにこの木を木材とされているようです。ただ、一般的には、杖などに不向きな木という事で、特に実用的に使われていることはないようです。

蘇民将来之子孫也

7月のお稽古、【歳時つれづれ】のお話、

1週目は【乞巧奠】そして2週目は【蘇民将来子孫也】でした。

祇園祭のちまきに添えられているお札で有名ですが、

特に伊勢の方では家の玄関にかざり、厄祓いをする風習があるそうです。

元々の由来は、スサノオノミコトが旅の途中、一夜の宿を蘇民将来にお願いし、蘇民将来は貧しいながらも心のこもったおもてなしをしたところ、スサノオノミコトはそのお礼にと、「蘇民将来之子孫」といって茅の輪の輪を腰に着けていれば子孫まで厄病を免れることができると告げたそうです。

このお稽古の後、伊勢の方にご実家のあるY川さんが、

二見の蘇民の森に立ち寄って写真を撮ってきてくださり、また実際のお玄関のしめ縄も写真に撮ってきてくださいました。

⭐️写真1枚目は、祇園祭にちなんだものでお稽古を。

ちまき籠に木槿・祇園守を生けて

ちまきには蘇民将来の札が添えられています

蓋置も、八坂神社のお献茶記念の蘇民将来の蓋置で。

⭐️2枚目が、蘇民の森。二見ヶ浦にあるそうです。

⭐️3枚目が、伊勢では普通のお家でも玄関に蘇民将来のしめ飾りが祀られているそうです。

大きい芙蓉と小さい芙蓉

美しい人の例えとされる花【芙蓉】フヨウ

木槿や芙蓉は、1日花で儚いものとされますが夏の間次々と咲くため、お茶花登場回数は一番かもしれません😁

ちなみに上のアメリカ芙蓉は、直径20センチ。

下の高砂芙蓉は、直径4センチ。

5倍の差があります‼️

咲き分けの桔梗

今年は桔梗がとても美しく、梅雨の間、一路庵庭を紫、白、薄ピンクと華やかにしてくれましたが、今朝、咲き分けの桔梗が咲きました。

美しいです。

 

乞巧奠にちなんで

7月お稽古、一週目のテーマは、七夕。

別名 乞巧奠 (きっこうでん)について勉強致しました。

一般でその行事を見ることは難しいですが、京都の名家冷泉家は、乞巧奠(きっこうてん)を、今も守り続けておられます。

一路庵にては、芸事の上達を願い、有馬筆、琵琶、五色の糸巻などを飾り、特に五色の意味、五行思想について勉強致しました。

棗は、円能斎お好みの亀蔵棗を、そして玄々斎創案、末廣籠受け筒による梶の葉蓋など、夏のお点前を中心にお稽古、葛の中に短冊が飾られたお菓子も、涼を呼び美味でした。