名残りの月

茶の湯では十月が名残の月と呼ばれています。

翌月十一月は、炉開きといい、茶の湯のお正月とも言われる月のため、しつらえも改め、また、口切りといい、新しい茶壺の封も切ります。

その前のひと月は、秋も深まり、「もののあわれ」を感じる侘びの月。

風炉も侘びた趣向のもの、ただし侘び過ぎないよう、前瓦だけは赤ではんなりと。



割れたお茶碗も金継ぎで、より日本人の美意識に深めるものに


花も、いつもあまり目に止まらない小さな野花にも愛着をこめて


お香は、白檀、沈香など数種類のお香を寄せる、

「寄香」

お香合は、亡き祖母の親友手作りの「ザクロ」香合で、懐かしく思いを馳せて


肌寒くなり、暖かさが恋しくなる季節、風炉もお客様に少し近づき、「中置」に