お茶のお稽古の時、お道具に関しては、季節感を大切にしながら、和歌や歳時記など、日本の文化も学んでいただける取り合わせを心がけておりますが、取り合わせに関して外してはいけない厳格な決まり事もあり、それも大切な勉強のひとつです。
例えばお買い物に行く時の装いと、結婚式や入学式など、フォーマルな席での装いは違います。
それは、自分のためではなく、相手に対しての敬意を持って装いの格付けを改めるものだと思いますが、お道具の取り合わせも同じです。
茶道では、おもてなしの【格に応じた取り合わせ】を大切にします。
お道具は以下の茶入にてお稽古致しました。
上
中興名物 坂本家伝来 岩城文琳 写し
実物は大阪 藤田美術館所蔵
下
中興名物 金華山広沢手 写し
これほどの茶入を見た人はいないだろうという意味の和歌
「広沢の池の面に身をなして見る人もなき秋の夜の月」
から銘をつけられたそうです。
実物は京都 北村美術館所蔵。